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2006年3月

ごちゃついた風景が好きだ

「私説東京繁昌記」を読み続けている。この本は写真家・荒木経惟との共著。彼の写真はなんというか「見てはいけないもの」を見せられている気分になってちょっとうろたえてしまうところがある。露になる、というか。ここに収められている写真は83・84年ごろに撮られたもので僕が知っている東京とはかなり違う。僕はこの十年後に上京するのだけど、ここに切り取られている原東京的なものはほぼ消滅していたと思う。

・・・そんなことはないか。神楽坂の路地の写真を見ていると僕が世紀の変わり目にしょっちゅう行っていた、下北沢を思い出す。ごちゃごちゃした街並。ライブハウスや小劇場。古本屋とレコード屋。手作りっぽい雑貨屋。若者で溢れる駅前から5分も歩くと普通の民家になってしまう雰囲気が僕はとても好きだった。

まあ下北沢は小林信彦の基準では東京には入らないと思うけど。

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小林信彦のこと その3

会社帰りに久々に本屋に寄る。東京にいた頃は職場が神田の本屋街に近いせいもあってふらふらと寄って帰ったものだ。地方にいるとなかなか自分の欲しい本が見つからないとつくづく思う。amazonで買えばいいといえばそうなのだけど、やはり手にとってぱらぱらめくってみたいのだな。まあこれはCDにもいえることだけど。

頭の中でそんなことを考えながら文庫のコーナーを見てたら小林信彦「私説東京繁昌記」を見つけた。僕はこれの姉妹編というか大分後に書かれた続編のような「私説東京放浪記」のほうは持ってて、愛読してたので、迷わず購入。僕はこの人の東京ものが好きなので、しばらくは楽しませてもらおうと思う。

小林信彦は今の東京は嫌いで、昔の、というか自分の子供の頃の東京(戦前)を愛してることを繰り返し書いてるのだけど、そうして描かれたかつての東京はとても魅力的で、地方のいなか暮らしをしている僕には縁もゆかりもないはずなのに繰り返しよんでしまうのはどうしたことだろう?去年まで僕が十数年そこで働いていた東京・・・始終工事中のような、移り変わりが激しくて、まるで土着のすんでいる人がいないかのような・・・そういうのとは違った、生活の場としての東京の魅力とそれが失われていく様を描く小林信彦の文章は読んでいて心地いい。

確かに彼にしてみれば今の東京は耐え難いのかも知れないけど、それでもなんにも起こらない地方よりははるかにましだと思ったりもする。そう思う人があつまったおかげでいまの得体の知れない東京ができてるんだろうなあ。

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Lefties Soul Connection/Hutspot

lefties_hutspot

これも試聴機買い。圧倒的なかっこよさ。ギター・ベース・ドラム・オルガンのすべてが怒涛の進撃。とくにドラムが凄い。オランダのファンク・バンドで、クラブ系の人たちにも大人気、らしい。こういう無闇にタイトなリズム・セクションはHIPHOPの人たちも好きだろうなあ・・・。ギターやオルガンのフレーズもいちいちオイシイしな~。あちこちで書かれてて僕もそう思うけどJAZZMAN RECORDSファンにもおすすめ。といってもジャズ色はほぼないから、ロック好きの人も聴いてみる価値はあると思う。後期のZEPが好きなひととか。

と思って、LED ZEPPELIN“PRESENCE”を引っ張り出して聴いてみたんだけど、昔のアルバムってドラムの音小さいのな。ボーナムはやっぱり凄いけど。

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小林信彦のこと その2

昨日の続き。

多分小林信彦については「本の雑誌」のコラムで名前は知ってたと思う。でも興味を持ったのは「ビートルズ論争」だろうな。小林と松村雄策とビートルズを巡っての言い争い。RO読者だった僕は松村に肩入れしてたけど、今にして思えば両者とも大人気ないって気もする。

一方で僕はSF読みでもあったから星新一の商業誌デビュー作である「ヒッチコックマガジン」については名前だけは知っていた。その編集長をしていたのが小林信彦だと知ったのもだいたい同じくらいの時期だったように思う。

なんとなくその名前に引っかかりを覚えだしたちょうどその頃にテレビで「ウーマンドリーム」というドラマが始まった。バッシングされる前の裕木奈江がでていたやつ。まあ裕木奈江はどうでもいいのだがその原作が小林信彦だったのだ。で、原作「極東セレナーデ」を購入。結構おもしろかったのでそれからは文庫が出たら買い、古本屋で見つけたら買い(小林の本はすぐ絶版になっちゃうのだ)したら、いつのまにかファンになってた。

小林の本といえば「日本の喜劇人」に代表される芸人ものが有名だし、僕もこれらの作品を(出てくる芸人の名前しか知らなくても)凄いと思うのだが、一番好きなのは今読んでる「夢の砦」だ。これは「ヒッチコックマガジン」編集長の頃の小林自身をモデルにした自伝的小説で、ここで描かれている若き日の「自信と不安」が極端に行きかう小林の姿は魅力的。今ちょうど創刊号を作るあたりを読んでます。

ところでこの本を読んでずっとたってから古本屋で見かけた「ヒッチコックマガジン」を読んでおもいだしたのが第二期の「奇想天外」(今は亡きSF雑誌。やたらとコラムや対談の多い雑誌だった)。新井素子が新人賞をとった号が家のどこかにあるはずなんだけど、見つからないんだよね・・・。

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小林信彦のこと その1

今読んでるのは「天才伝説 横山やすし」。こないだのやすしの息子の事件がきっかけです。読み始めるとそんなの関係なくなったけど。やっぱり芸人を語ってるときが一番この人は生き生きしてる気がするな。

膨大な知識と現場経験に裏打ちされたこの人のエンターテイメント時評を読んじゃうと、簡単に批評めいた文章はかけないよね。「評価を下す」裏にどれほどの深いバックグラウンドが必要か知ってしまったし、対象に対する深い愛情をともなってるからこそ、その文章にひきつけられるんだと分かったから。にしても、読んでると影響を受けやすいので気をつけないと。うわっつらの真似なんてイタイことこの上ないから。

小林信彦については何度か書こうと思ったんだけど、そのたびに挫折しました。いつも文章書く前には下調べをかめてぐぐってみるんだけど、そのたびにファンの人の濃い~ページを見つけてよみふけっちゃう。自分の文章を書くところまで行かない。今日もそうだったんだけど何とかここまで書けました。

「天才伝説 横山やすし」は読んだので、明日からは「夢の砦」を再読しようかな?

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various artists/What Is Wrong With Groovin'

whatiswrongwithgroovin

jazzman recordから出てる“What Is Wrong With Groovin'”を聴いている。タイトルどおり通りグルーヴィーでファンキー、ジャジーなナンバーで固められたコンピ盤だ。この手のアルバムって結構あるんだけど、jazzmanのセレクトは一筋縄ではいかないというか変というか「どこから探してきたの?」的な曲が多くて大好き。中でもこれは怪しさ満点。ジャンルはいろいろだし、曲調もばらばら。なのにjazzman印が各曲に押されてるような統一感が素晴らしい。マニアックかつ聴きやすい。こういうのが好きだな。

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