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Robert Wyatt/Rock Bottom

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こういう音楽もあるのです

このサイトのタイトルのshlpは彼の97年作“shleep”にちなんでつけました。
ロバートワイアットは僕にとって大切な存在ですね。なので彼をどう紹介しようか、とずっと考えていました。

彼はスタート地点にジャズがあることもあって音楽的に複雑なことをやってることが多いんです。なんというか自由な音楽を常に志向していているのですが、当時の同傾向のミュージシャンのようにフリージャズにはいくかといえばそうともいい切れない。プログレというのも抵抗がある。彼がやりたいことではジャズやロックでは収まりきれないということなのでしょう。さらにかれはソングライターとしても優れているし、あの一度聴いたら忘れられない声を持っています。そのワイアットの魅力を一度に味わえるのがこのアルバムの冒頭の名曲‘Sea Song’なので、まずこのアルバムから紹介しましょう。

‘Sea Song’は独特のメロディーと幾重にも折り重なったキーボードにあの「世界で一番悲しい声」がかぶさる美しく透明感に満ちたナンバー。構造自体はシンプルでうたが前面に出てて彼の声がたっぷり堪能できます。最後のスキャットの部分なんて聴いてるとなんともいえない感情がわきあがります。それは悲しくて切なくてというだけではなく力強さもおかしさもある彼にしか出来ない音楽なのです。

その他の曲もたくさんの楽器が複雑に、美しく重なり合う彼独特の楽曲が続きます。ただし、普段日本のポップスしか聴かない方にはとっつきにくいかもです。というか自分も最初から全曲はまってたわけではないですから。特に最後のアイヴォー・カトラーの語りはいったい何?と思ったのですが、最近聴くとこれもまたこのアルバムには必要なんだ、と思うようになりました。なんでだか、わからないんだけどね。音楽を何度も聴き、ある時突然、いいな、と感じる瞬間があるでしょ?あれです。

また、本作にはカンタベリー周辺のミュージシャンが多数参加。演奏自体も楽しめますが、あくまでワイアットが中心にすえられているのも好ましいです。プロデュースはピンク・フロイドのニック・メイソン。ジャケットは奥さんのアルフリーダ・ベンジが描いています。このアルバムまでの出来上がるまでの経緯には色々とあるのですが(興味のある方はジャケットをクリック)、あえてふれないでおきます。真っ白な状態で聴くもよし、背景を知った上で聴くもよし、ということで。

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